更新日 2026年11月1日

現場のリアル|物流

運送会社、燃料の量を荷主ごとにトンキロで割り振る

大きな荷主は、自社の荷物を運ぶのに使ったエネルギーを国に報告します。その元になる燃料の量を持っているのは、運送会社です。2026年4月からは、荷待ち時間などを報告する義務も始まりました。運送会社の担当者が集めるのは、燃料の量と、荷主ごとに運んだ量の2つです。

現場のリアル #137月末2027年、最初の定期報告

まずやること

  1. 事業所ごと・月ごと・車種ごとに、燃料の量を表にします。
  2. 荷主から、自社の荷物のトンキロ(重さ×距離)を、月ごと・車種ごとにもらいます。
  3. 全体の燃料の量を、荷主ごとのトンキロの割合で割り振って渡します。

省エネ法は荷主と運送会社の両方に報告義務

省エネ法は、エネルギーを効率よく使うことを求める法律です。この法律では、荷物を出す荷主と、運ぶ運送会社の両方に報告の義務があります。

対象基準と出すもの
特定荷主自社の荷物の輸送量が年3,000万トンキロ以上。毎年度6月末までに定期報告書など
特定輸送事業者(トラック)貨物の車が200台以上。毎年度6月末までに定期報告書と中長期計画書

トンキロは、運んだ重さ(トン)に距離(キロ)を掛けた量です。

運送会社の目標は、運ぶ量あたりのエネルギーを、年平均1%以上減らすことです。

集めるのは燃料の量と荷主ごとのトンキロ

数え方は、経済産業省と国土交通省の共同のガイドラインにあります。いちばん正確なのは「燃料法」です。使った燃料の量に、燃料ごとの係数を掛けてCO2を出します。

燃料の量は、車に積んだ機器、燃料の購入伝票、自社の給油所の記録から集めます。燃料の量が分からなければ、走った距離と燃費から推計します。

1荷主が伝える荷主が、運送会社ごと・月ごと・車種ごとに、自社の荷物のトンキロを出して渡す
2燃料を集める運送会社が、事業所ごと・月ごと・車種ごとに、燃料の量と全体のトンキロを集める
3割り振る全体の燃料の量を、荷主ごとのトンキロの割合で分ける
4受け取る荷主は、割り振られた燃料の量か、CO2の量を受け取る
経済産業省・国土交通省「物流分野のCO2排出量に関する算定方法ガイドライン」の按分(割り振り)の説明をもとに作成

1台のトラックに複数の荷主の荷物を積むと、荷主だけでは自分の分を出せません。ガイドラインの表でも、燃料の量は荷主には把握できないとされています。そのため、運送会社が割り振ることになります。

2026年4月から荷待ち時間も報告の対象に

2024年4月から、働き方改革の法律がトラック運転手にも適用されました。運べる量が足りなくなるおそれがあり、「2024年問題」と呼ばれています。これを受けて、物流効率化法(物資の流通の効率化に関する法律)が改正されました。

指定される会社基準(国の見込みの社数)
特定荷主扱う荷物の重さが年9万トン以上(約3,200社)
特定貨物自動車運送事業者等持っている車が150台以上(約720社)

指定された会社は、中長期計画と定期報告を出します。荷主の定期報告には、荷待ち時間などの状況が入ります。時間の指定がなければ、荷待ち時間は運転手が着いてから積み降ろしが始まるまでです。国は、測るには運送会社の協力が欠かせないとしています。

特定荷主は、物流統括管理者(CLO、物流の責任者)を役員などから選びます。

2027年7月末最初の定期報告の締め切り。中長期計画は2026年10月末が最初の締め切り

国土交通省「物流効率化法における特定事業者の指定の届出及び統括物流管理者の選任について」(2026年5月)

EUの輸送の数え方はISO 14083が土台

ISO 14083は、輸送で出る温室効果ガスを数える国際規格です。ISOは、国際標準化機構という団体が決める規格の名前です。EUは2026年4月29日、輸送の排出量の数え方をそろえる規則を定めました。対象は、EUで始まるか終わる輸送です。契約や自主的な判断で排出量を計算し、公表する場合に使います。

計算は、ISO 14083を土台にします。実際に測った「一次データ」を優先し、手に入らないときは決められた標準の値も使えます。規則が効力を持ってから54か月後に、本格的に始まります。

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