まずやること
- 自社の製品の品目番号(CNコード)が、規則の一覧にあるかを確かめます。
- 対象の製品について、原料の仕入れ先と産地を、さかのぼって書き出します。
- 産地の区画の位置と、2020年末より後に森林が減っていない証拠を、仕入れ先に頼みます。
EUの輸入業者が畑の場所を求める
きっかけは、EUの森林破壊防止規則(EUDR)です。森林を切り開いた土地で育った原料を、EUで売らせないための法律です。
対象は、牛・カカオ・コーヒー・パーム油・ゴム・大豆・木材の7つです。牛肉、チョコレート、タイヤ、木の家具など、これらを使った製品も含みます。
届け出の義務を負うのは、製品をEUに輸入する会社です。日本の輸出企業は、多くの場合その取引先として協力を頼まれる立場です。頼まれるのは、原料の産地の位置と、そこで森林が減っていない証拠の2つです。
ゴム(タイヤなど)1,144億円
木材(紙製品など)291億円
牛(牛肉など)76億円
パーム油など21億円
カカオ(チョコレートなど)3億円
EUDRの対象品目の、日本からの輸出額(2025年)。農林水産省の資料から
集めるのは畑の形の座標
輸入業者は、DDS(森林破壊に関わっていないと確かめたことを示す届け出)を、EUの情報システムに出します。その中身を埋めるため、仕入れ先をさかのぼって次の情報を集めます。
1対象か調べる製品の品目番号(CNコード)が規則の一覧にあるか
2畑をたどる原料が育ったすべての区画。牛は生まれてから食肉になるまで飼われたすべての場所
3位置を記録4ヘクタールを超える区画は外周を囲む多角形、それ未満は1点でもよい。緯度と経度は小数点以下6桁
4証拠をそろえる2020年末より後に森林が減っていないこと。衛星画像などで確かめる
5入力する品目、重さ(kg)、生産国、区画の面積と位置。位置は地図用のファイル(GeoJSON)でも出せる
欧州委員会のガイダンス・よくある質問集、農林水産省の資料をもとに作成
集めた情報は5年間保存します。森林が減っていない証拠は、届け出に付ける必要はありません。当局に求められたら出せるようにしておきます。
参照番号がないとEUの税関を通れない
届け出を出すと参照番号がもらえ、輸入の申告にはこの番号を書きます。届け出がない製品は、EUで売ることができません。
罰則は、EUの各国が決めます。法人への罰金の上限は、EUでの年間売上の4%より低くしてはいけません。製品の没収や、公共の入札から最大12か月外されることもあります。
日本は、森林破壊のおそれが低い「低リスク国」に分類されています。ただし、手続きが軽くなるのは、原料がすべて低リスク国で育った場合です。
2回の延期を経て年末に始まる
2026年12月30日大・中規模の会社に適用。小規模の会社の多くは2027年6月30日から
当初は2024年末に始まる予定でしたが、1年ずつ2回延期されました。2025年12月の改正で、届け出は、製品をEUの市場に最初に出す会社だけが出す形に絞られました。
欧州委員会は2026年5月、法律の文をこれ以上は変えないとする報告を出しました。7月には対象を見直し、インスタントコーヒーや一部のパーム油の加工品を加えました。追加分は2027年12月30日から対象です。