更新日 2026年11月1日

現場のリアル|自動車

自動車の部品メーカー、部品ごとのCO2を数えて渡す

自動車メーカーは、部品の仕入れ先にCO2の削減を求めています。部品ごとの排出量を数えて渡す仕組みも、整いつつあります。部品メーカーの担当者は、材料の重さと工場の燃料の量を集めて渡します。

現場のリアル #04IMDS材料の重さを入れる業界の仕組み

まずやること

  1. 納め先の窓口に、どの部品のどのデータが要るかを確かめます。
  2. 対象の部品の材料の名前・個数・重さを、IMDS(業界共通の材料データの登録システム)から書き出します。
  3. 工場の燃料の種類ごとの量と、資材と廃棄物の重さを表にします。

トヨタは直接の仕入れ先すべてにLCAを依頼

トヨタの目標は、車の一生で出る温室効果ガスを、2030年に2019年より30%減らすことです。車の一生とは、材料づくりから廃棄までです。2026年1月の「グリーン調達ガイドライン」で、仕入れ先にも削減を頼んでいます。

トヨタが仕入れ先に頼むこと対象
納める材料・部品のLCAへの対応直接取引する仕入れ先すべて
工場全体の排出量の実績の確認個別に連絡する仕入れ先
毎月初めに、前月の取り組みの状況を決まった様式で報告トヨタが物流を任せる会社

LCAは、製品の一生の環境への負荷を数える方法です。出すデータの中身は、トヨタの窓口が相談します。

集めるのは材料の重さと工場の燃料の量

数え方は、日本自動車工業会の「CFPガイドライン」(2024年版)にあります。CFPは、1つの製品ができるまでに出る温室効果ガスの量です。

基本は、自社で測った「一次データ」です。部品の材料の名前、個数、重さは、業界共通の材料データの登録システム「IMDS」から集めます。工場の分は、燃料の種類ごとの量と、資材と廃棄物の重さです。軽い部品や材料は、合計で全体の重さの1%までなら外せます。

1契約する部品の注文のときに、CO2の算定も取り決める
2依頼を受ける納め先から、部品の登録とCO2の算定を頼まれる
3計算する仕入れた部品の値に、自社の工場の分を足す
4伝える相手に見せる範囲を選んで、値を渡す
5見直す納め先が、CO2の多い部品を見つける
経済産業省とIPA(情報処理推進機構)の自動車LCAのデータ連携のガイドライン α版(2025年4月)をもとに作成

値は、材料メーカーから部品メーカー、自動車メーカーへと積み上がります。

出せなければ平均の値で埋められる

仕入れ先が答えられないときは、納め先が業界の平均などの「二次データ」で代わりに入れます。平均の値では、自社で減らした分が数字に出ません。工業会のガイドラインも、努力を表すには一次データが望ましいとしています。

納め先は、集めた値からCO2の多い部品を見つけます。そして、仕入れ先に削減を頼むか、ほかの部品を選びます。トヨタも、取り組みを確かめ、結果に応じて改善を頼むとしています。

EUへの輸出にも関わります。EUの電池規則は、2023年8月に効力を持ちました。この規則は、電気自動車の電池などに、2025年から段階的にCO2の申告と上限を求めます。

データ連携の仕組みとLCAの指針

会社をまたいで値を渡す仕組みもあります。日本では、経済産業省が進める「ウラノス・エコシステム」です。自動車業界の国際的な団体「Catena-X(カテナエックス)」も、同じ役割の仕組みを持ちます。2025年3月には、2つの間で電池のCFPを受け渡す試験に成功しました。

電池のCO2の数え方を決めるEUの規則は、2026年7月更新の欧州委員会のページでも、案として載っています。

2026年10月世界の自動車メーカーと欧州の部品メーカーの団体が、乗用車と部品のLCAの指針の第1.0版を出した

OICA(国際自動車工業連合会)・CLEPA(欧州自動車部品工業会)の発表

図の流れを示した国のガイドラインは、2026年10月末でも最初の版(α版)で、今後詳しくしていく予定です。

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