更新日 2026年11月1日

現場のリアル|取引の条件

ミシュランやKDDI、仕入れ先にEcoVadisの評価を求める

EcoVadis(エコバディス)は、取引先の環境や人権への取り組みを採点する会社です。タイヤのミシュランや通信のKDDIは、主な仕入れ先にこの評価を受けるよう求めています。担当者の作業と、点が足りないときの扱いを、EcoVadisと買い手の公開資料でたどります。

現場のリアル #0245点ミシュランが求める最低の点

まずやること

  1. 依頼の中で、求められている点数と期限を確かめます。
  2. 環境、労働と人権、倫理、調達の4分野ごとに、手元の方針や手順書を一覧にします。
  3. 工場や部署ごとに、排出量とエネルギーの使用量を集め始めます。95%以上を覆う必要があるからです。

4分野の採点を複数の買い手が使う

EcoVadisは、環境、労働と人権、倫理、持続可能な調達の4分野で採点します。持続可能な調達とは、自社の仕入れ先の環境や人権をどう管理しているかです。

自動車の業界では、2025年に約1万2,500社の仕入れ先が評価を受けました。仕入れ先は、1回の評価の結果を複数の買い手に見せられます。

買い手仕入れ先に求めていること
ミシュラン(タイヤ)2012年からEcoVadisで主な仕入れ先を評価。契約や延長から12か月以内に受け、45点以上を保つ
KDDI(通信)取引額の上位9割にあたる150〜200社に依頼し、原則必須とする(2025年の講演)

KDDIは2023年度に使い始め、6人で担当しています。

点がつくのは書類で裏付けた答えだけ

1申し込む評価を受ける会社が、プランを選ぶ
2答える専用の画面で、質問に答える
3書類を出す方針、手順書、報告書などを、答えの裏付けとして上げる
4調べるEcoVadisが書類を確かめ、ニュースやNGOの報告も見る
5結果4分野と総合の点数(0〜100点)が出る。有効なのは1年
EcoVadisの評価方法の公開資料(2026年版)から作成

点がつくのは、書類で裏付けた答えだけです。書類がなければ、仕組みがないとみなされ、点が下がります。足りないデータを、業界の平均などで埋めることもしません。

数字の報告は、評価の対象の範囲の8割以上を覆う必要があります。CO2などの排出量とエネルギーの使用量は、95%以上が必要です。そのため担当者は、各地の工場や部署から、規程や記録や数字を集めることになります。

費用について、公式の料金のページにはプランの中身が載っています。上のプランほど、結果を見せられる相手やサポートが増えます。メダルを表示できるのは、Premium以上のプランです。金額は、従業員の数の区分と国を選んで確かめる作りです。

EcoVadisは、自社の審査の担当者が1社の回答と書類を確かめるのに、15時間以上かけるとしています。これは審査する側の時間で、回答する会社の作業の時間ではありません。

点が足りなければ改善の計画を出す

45点ミシュランが仕入れ先に求める最低の点。届かなければ、評価から2か月以内に改善の計画を出す

ミシュラン「Critères pour un fournisseur Michelin」

メダルは、過去12か月に評価を受けた全社の中の順位で決まります。4分野のどれかが30点未満なら、メダルはつきません。

メダル順位
プラチナ上位1%
ゴールド上位5%
シルバー上位15%
ブロンズ上位35%

日本の会社の平均は、2024年に50.9点でした。いちばん低い分野は持続可能な調達で、41.3点です。従業員1,000人以上の会社でも、この分野は55%が45点未満でした。

この平均には、2回以上受けた会社が多く含まれます。EcoVadisは、受けた回数が多い会社ほど点が上がる傾向があるとしています。初めて受けた会社だけの平均は、公開されていません。

毎年受け直し、EUの監督も始まった

結果の有効期間は1年です。受け直すのは、会社が決めたときか、買い手が求めたときです。日本で2024年に評価を受けた会社の79%は、2回以上受けていました。

EUでは2026年7月2日から、ESG評価(会社の環境や社会への取り組みの採点)をする会社を監督する規則が始まりました。EcoVadisは2026年7月8日、EUの監督機関(ESMA)に、認可を申請する意向を伝えました。

2027年5月ごろ認可の審査が終わる見込み。利用する会社に必要な調整はないと説明している

EcoVadis Trust Center「ESG Ratings Disclosure Obligations in the European Union」

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