更新日 2026年11月1日

現場のリアル|アパレル

米国向けの綿の服、産地を書類で示せないと輸入できず

米国に服を輸入するとき、綿がどこで採れたかを書類で示すよう求められることがあります。示せないと、服は米国に入りません。担当者が集める書類と、出せないときの扱いを見ます。

現場のリアル #1012.142027年、EUの強制労働の規則

まずやること

  1. 米国向けの綿の製品ごとに、梱(綿花を詰めた包み)から完成品までの工程の流れ図を作ります。
  2. 工程ごとの会社を、直接取引していない上流まで書き出します。
  3. 注文書や請求書、船荷証券などの手元の書類を、工程ごとに番号で結びます。

UFLPAでは輸入する会社が証明する

米国では2022年6月21日から、UFLPA(ウイグル強制労働防止法)による取り締まりが始まりました。中国の新疆ウイグル自治区で一部でも作られた品は、強制労働で作られたとみなされます。米国政府が公表するリストに載った会社の品も同じです。

この扱いを覆すには、輸入する会社が、明白で説得力のある証拠を出します。審査するのは、米国の税関・国境警備局(CBP)です。取り締まりでは、綿とアパレルが重点の分野です。

日本政府のガイドラインも、米国の輸入差し止めにふれています。法律が直接かからない会社も、かかる会社からの要請で、取り組みを求められつつあるとしています。

手引きは梱から完成品までの書類を求める

CBPは2026年6月、輸入する会社向けの手引きを公開しました。綿の製品では、綿花を詰めた梱(ベール)の単位から完成品までを、書類でたどるよう求めています。

工程の流れ図と地域の地図を出し、工程とそれを裏づける書類に番号を振ります。直接取引していない上流の会社も、根拠の書類を添えて全部挙げます。

綿の種を除く仕入れ先の記録、原産地の証明書
糸・布にする工場の生産記録、働く人の給与の記録
染める薬品の購入記録、環境の基準を守っている証明
縫う工場の監査報告書、働く人との雇用契約
出荷する積み荷の目録、在庫の記録
CBPの手引き(2026年6月)にある、服の輸入会社が取引先を調べる例から作成。手引きは、これがすべてではないとしている

使うのは、注文書や請求書、船荷証券(船で運んだ荷物の証明)など、ふだんの取引の書類です。書類を出さない取引先がいれば、別の仕入れ先を考えるべきだと手引きは書いています。

ファーストリテイリングは2025年8月期、すべての縫製工場の働く環境を確かめました。ユニクロの綿の商品の主な紡績工場(綿から糸を作る工場)も対象です。外部の機関の、予告なしの監査も使います。2025年8月末時点で、ユニクロとジーユーの全商品の主な素材の取引の流れを、原料の原産国から縫製工場までつかんでいます。

証拠が出せない服は米国に入らない

CBPは疑いのある荷物を止め、通知を出します。輸入する会社の持ち時間は、そこから30日です。

止められたあと起きること
30日以内に審査を求める書類を専用の窓口から出す。延長は通知から90日まで。保管料は輸入する会社が持つ
30日以内に輸入をやめる米国の外へ送り出すか、廃棄する。費用は輸入する会社が持つ
30日たっても何もしない輸入を認めない決定が出る
認めない決定のあと180日以内に送り出すか廃棄する。不服を申し立てることもできる

日本政府のガイドラインは、取引をやめるのは最後の手段だとしています。ただ、国が関わる人権侵害が疑われる地域の例も挙げています。取引先に証明を求めても根拠が示されず、工場の視察も断られたら、取引をやめることも考えるとしています。

EUも2027年12月から強制労働の品を禁止

2027年12月14日強制労働で作られた品を、EUで売ることも輸出することもできなくなる

EUの強制労働の規則は、業種も産地も問わず、輸入品にもかかります。欧州委員会は2026年6月30日に、準備のための資料を公開しました。

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