更新日 2026年11月3日
キリン、みずほ、MUFG(三菱UFJフィナンシャル・グループ)、日本航空の4社の差は、気候がお金に与える影響を金額で書いたかと、外部の保証を受けたかに出ました。どちらもできたのはキリンだけで、銀行2社は投融資先の排出を数字で示し、日本航空は移行計画の具体さで目立ちます。
SSBJ基準(日本のサステナビリティ開示の基準)が求める9つの項目で、○は書いている、△は一部だけ、×は書いていないことを表します。
| 項目 | キリン | みずほ | MUFG | 日本航空 |
|---|---|---|---|---|
| 時間軸 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 財務への影響 | ○ | △ | △ | △ |
| シナリオ分析 | ○ | ○ | ○ | △ |
| Scope1・2 | ○ | ○ | ○ | △ |
| Scope3 | × | △ | △ | × |
| 移行計画 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 産業別の指標 | ○ | △ | × | × |
| 第三者保証 | ○ | × | × | × |
| 経過措置 | ○ | ○ | △ | × |
差がはっきり出たのは、お金の影響、保証、投融資先の排出の3つです。
お金の影響を金額で書いたのはキリンだけ。キリンは農産物の収量減を2050年・4℃シナリオで「約31億円~約122億円」などと、リスクごとに金額で示しました。みずほは将来の影響を「定量的に捉えることは有用ではありません」とし、日本航空は大・中・小の区分にとどまります。MUFGはシナリオ分析で与信費用を「5,500億円程度」と出しましたが、財務への影響の欄には数字がありません。
準拠しても保証があるとは限らない。準拠を表明したのはキリンとみずほですが、外部の保証を受けたのはキリンだけです。みずほの指標には「第三者によって認証されたものではありません」とあり、MUFGと日本航空も保証を受けていません。
投融資先の排出は銀行2社が先に出した。みずほは1,012.89Mt-CO2e、MUFGは1,357,610千t-CO2eと、Scope3のカテゴリー15(投融資先の排出)を数字で載せました。キリンは初年度の経過措置でScope3を省き、日本航空はサステナビリティの欄にScope別の表を載せていません。
4社は、SSBJに触れた110社の中で前の方にいます。110社の一覧で「準拠」はキリンとみずほの2社、「一部を適用」はMUFGと日本航空を含む3社で、残りの105社は参考にした・準備中・触れただけの段階です。お金の影響を金額で書いた16社に入るのは、4社ではキリンだけです。