更新日 2026年11月3日
EUが域外の会社に求めるサステナビリティ報告の基準案(ESRS-40a)に対し、日本政府が10月28日付で意見を出しました。SSBJとGRIも回答しており、どれも、すでに作っている報告書を生かせるようにしてほしいという中身です。
| 出した先 | 日付 | 主な求め |
|---|---|---|
| 日本政府 | 10月28日付 | ISSB基準に沿った報告書を参照できるよう、ESRS-40aだけの追加の開示を明確にする。混合アプローチより簡便な方法も検討する |
| SSBJ | 10月26日 | 影響に絞る案は合理的。混合アプローチを支持し、気候にも広げられる |
| GRI | 10月19日 | GRI基準による今の報告を、ESRS-40aに従う手段として認める |
SSBJは回答で、SSBJ基準の対象になる日本の会社の多くがESRS-40aの対象にもなると指摘しました。日本では時価総額の大きい上場企業から、2027年3月期以降にSSBJ基準での開示が始まります。案にある「参照による組込み」、つまり別の報告書の記載を引用して済ませる方法についても、効果は限られると書いています。EFRAGはISSB基準と共通の開示が多いとしながら、どれが共通でどれが追加かを示しておらず、その判断を日本の会社が自分で行う分だけ負担が増える、という理由です。
GRIは、GRI基準がESRS-40aの開示の要求の97%を全部または一部カバーしていると示しました。対象になりそうな日本の会社の77%は、すでにGRI基準で報告しています。
ESRS-40aは、EUの報告基準をつくるEFRAGが2026年7月23日に公表した案で、意見の募集は10月31日まででした。対象は、EU域内の売上が4億5,000万ユーロを超え、売上2億ユーロを超えるEUの子会社か支店を持つ域外の会社です。
会社が社会や環境に与える影響の開示に絞り、リスクや会社の財務への影響の項目は削っています。気候以外の分野でEUに関係する影響だけを書く「混合アプローチ」も選べます。
EFRAGが差を示していないため、EUで事業の大きい日本の会社には、SSBJ基準の開示の準備と並んで、ESRS-40aとの差を項目ごとに洗い出す作業が加わります。最終の基準では、ISSB基準に沿った報告書の参照がどこまで認められるかと、混合アプローチを使える範囲が決まります。参照が広く認められない限り、2つの基準の差を項目ごとに読める人の仕事は減りません。