更新日 2026年11月2日

コラム|国の委託

環境省の委託2年分4,004件 制度の下書きは環境調査会社とシンクタンク、Big4は4%

環境省が公表した2024・2025年度の契約は4,004件、約2,820億円です。このうち、制度やガイドラインの検討を頼む委託が558件あり、半分を環境調査会社と財団・研究機関が受けています。Big4などの大手コンサルは4%でした。

コラム4,004件環境省の委託(2024・2025年度)

2024年度総額の半分が2件に集中

年度の総額は、2024年度が1,872億円、2025年度が948億円です。並べると、1年でほぼ半分に減ったように見えます。

2024年度には、桁の違う契約が2件ありました。双葉町の減容化施設(中間貯蔵施設)での廃棄物処理の業務です。2024〜2025年度の2年分を、2024年度の契約として結んでいます。共同企業体の2つが、494.5億円と448.7億円で受けました。

年度件数総額大型2件を除く
2024年度2,119件1,872億円929億円
2025年度1,885件948億円948億円
環境省の物品・役務の契約。大型2件は、2024年度の双葉町の減容化施設(中間貯蔵施設)の2件(計943億円)

この2件だけで2024年度の総額のほぼ半分を占め、除けば2025年度とほぼ同じ規模です。

契約の半数が4月に集中

金額で見ると、2025年度の総額の73%が4月の契約です。件数でも、2024年度は2,119件のうち1,034件、2025年度は1,885件のうち960件が4月でした。どちらの年も、ほぼ半分です。

4月1日の1日だけで、2024年度は867件、2025年度は776件あります。

4月の契約の多くは、前の年度の冬に公告されています。2026年4月の競争入札では、公告日が分かった351件のうち、333件が1月から3月の公告でした。

コンサルの取り分は1〜2割

ここでのコンサルは、シンクタンク、環境調査会社、Big4、戦略・総合コンサル、建設コンサルタントです。

年度件数金額総額に占める割合大型2件を除くと
2024年度334件201.7億円10.8%21.7%
2025年度326件170.8億円18.0%18.0%

割合は2025年度に上がったように見えますが、大型2件を除けば2024年度のほうが高く、金額も減っています。

件数で見ても、コンサルは全体の16〜17%です。残りは、ほかの会社や、廃棄物の処理などを受ける共同企業体、研究機関、財団、大学に流れています。

研究機関や財団も含めた2年分では、件数の首位が財団の自然環境研究センター(114件)、金額の首位が国立環境研究所(64.4億円)です。コンサルやシンクタンクでは、デロイト トーマツの45.4億円が最も多くなっています。

開示関連の委託は年20件未満

企業の開示や金融に関わる委託は、2024年度が19件・7.2億円、2025年度が17件・7.0億円です。件数で全体の1%にも届きません。

テーマ2024年度2025年度
脱炭素・GX245件・313.8億円246件・328.5億円
生物多様性・自然448件・55.4億円379件・49.7億円
化学物質・公害297件・53.8億円252件・44.2億円
開示・金融19件・7.2億円17件・7.0億円

脱炭素・GXは件数も金額も2年でほぼ変わらず、件数では生物多様性・自然がいちばん多くなっています。

制度の下書きは環境調査会社とシンクタンク

件名に「検討」「あり方」「ガイドライン」「算定方法」などが入る、制度づくりの委託は、2年で558件、161.5億円でした。国が次に何を決めようとしているかは、これらの件名に表れます。

受注先の種類件数金額の割合
環境調査・建設コンサル160件(29%)32%
財団・研究機関・大学129件(23%)20%
銀行系シンクタンク69件(12%)22%
Big4・大手コンサル24件(4%)8%

件数で多いのは、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(28件)、みずほリサーチ&テクノロジーズ(23件)、いであ(23件)です。Big4などの大手コンサルは24件で、デロイト トーマツのグループが11件、アビームが9件でした。

企業の対応を手伝う需要は、企業側に表れる

企業同士の依頼は公表されず、有価証券報告書でも、支援を受けたコンサル会社の名前を書いた会社は売上上位300社で1社だけでした。

どこに表れるか数字
国の委託(環境省、開示・金融)年17〜19件、約7億円
企業の専任の部署上場企業4,316社のうち441社が有報に部署名を記載
コンサルの採用コンサル11社の中途募集806件のうち74件(9%)がサステナの仕事
第三者保証売上上位300社のうち39社が受けたと記載

専任の部署は、大きい会社ほど置いています。売上上位300社では36%、301〜1,000位では24%、2,001位以下では2%です。名前は「サステナビリティ推進室」が160社で最も多く、「サステナビリティ推進部」が93社で続きます。

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