更新日 2026年11月6日

物流・調達|2026年11月号

三菱倉庫、阪急阪神エクスプレスを1,201億円で取得 航空を加えて国内4番手のフォワーダーに

三菱倉庫は10月30日、航空貨物に強い阪急阪神エクスプレスの全株式を1,201億円で取得すると決めました。倉庫と海上輸送が主力の三菱倉庫に、航空が加わります。2社のフォワーディング(国際輸送の手配)の売上高は単純合算で1,688億円となり、三菱倉庫の推計では国内4番手に入ります。

今月の動き1,201億円三菱倉庫が阪急阪神エクスプレスに払う額

株式はセイノーから阪急阪神HDを経て移る

阪急阪神エクスプレスの株式は、阪急阪神ホールディングスが66%、セイノーホールディングスが34%を持っています。取得は2段階に分け、2026年度の第4四半期をめどに完了させる計画です。

1阪急阪神HDが残りの34%を取得セイノーHDの持ち分を買い取り、阪急阪神エクスプレスを完全子会社にする
2三菱倉庫が100%を取得阪急阪神HDから全株式を1,201億1,000万円で買う。資金は手元資金と銀行からの借入
三菱倉庫「グローバルロジスティクス強化に向けた戦略的M&A」(2026年10月30日)。完了は許認可の取得などが条件

海上の三菱倉庫、航空の阪急阪神エクスプレス

フォワーダーは荷主から国際輸送を請け負い、船や航空機の枠を手配して通関や配送までまとめて引き受ける会社です。得意な輸送が逆の2社を合わせると、海上62%、航空38%の構成になります。

2025年度フォワーディング売上高主力
三菱倉庫約772億円海上、倉庫
阪急阪神エクスプレス916億円航空
単純合算約1,688億円海上1,040億円、航空648億円

三菱倉庫によると、2社の大口顧客はほとんど重なっていません。まず狙う相乗効果は、海上や倉庫の顧客に航空を、航空の顧客に海上と倉庫を売り込むことで、重点分野には医薬品、半導体、EV、保冷品を挙げています。

上位3社との差はなお2倍以上

A社7,660億
B社4,948億
C社3,835億
三菱倉庫+阪急阪神エクスプレス1,688億
D社1,530億
E社1,347億
2025年度(E社のみ2024年度)。各社の開示データをもとにした三菱倉庫の推計で、社名は伏せられている

4番手に入っても、3番手との差は2,000億円を超えます。三菱倉庫は、単純合算の規模にとどまらず上位を狙うとしています。

海外の売上は2倍超に

31%取得後の海外売上高比率。今の三菱倉庫グループは約20%

2025年度の数字を単純に足すと、海外の売上高は544億円から1,176億円に増えます。阪急阪神エクスプレスは36社のグループで、従業員3,680名のうち2,491名が海外で働いています。取得後は3年をめどに両社の組織を統合する方針で、具体策と指標の目標は今期末に示す予定です。

航空と海上を1枚の提案にまとめる営業が要る

互いの顧客に売り込むには、輸出入の手配から海外の倉庫まで通して組み、医薬品や半導体のように温度や時間の条件が厳しい荷物の運び方を設計できる人が要ります。航空か海上のどちらかでフォワーダーの営業や通関を経験し、もう一方も覚えていける人の出番が増えます。36社のグループを3年でまとめる統合にも、人手がかかります。

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