更新日 2026年11月6日

物流・調達|2026年11月号

日本郵便とセイノー、幹線の共同運行が延べ1万便超 T2の自動運転は2027年1月から約30社に

東京と大阪のように離れた拠点を結ぶ幹線輸送で、自社のトラックを1人の運転手が通しで走らせる形が崩れ始めました。日本郵便グループとセイノーグループは競合どうしで荷台を分け合い、T2は自動運転トラックの商用運行を広げます。11月1日には中継輸送の計画を国が認定する制度が始まり、道路に物流専用の通り道をつくる実証も続いています。

今月の動き約30社2027年1月から自動運転トラックを使う

4つの組み直しが同時に進む

やり方分けるもの11月時点の動き
共同運行荷台日本郵便とセイノーが11月5日に進捗を公表
自動運転トラック運転T2が2027年1月から約30社向けに新しい車両を順次投入
中継輸送走る距離計画の認定制度が11月1日に施行
自動物流道路道路国土交通省の実証が10月28日〜12月18日

2024年4月に運転手の残業に上限がついてから、長距離を1人で走り切る運び方は人手不足に直に響くようになりました。4つの動きの違いは、その運び方のどこを分けるかにあります。自動物流道路は、道路に物流専用の通り道を設けて無人の搬送機器に荷物を運ばせる国の構想で、まだ実証の段階です。

郵便とセイノーは空いた荷台を融通

両グループの幹線の共同運行は、2024年5月に業務提携の基本合意を結んでから2026年9月までに延べ1万49便に達しました。11月5日の説明会で報告した数字です。互いの幹線便の空きスペースとハブ拠点を使って双方の荷物を積み合わせるもので、西濃運輸は年間550トンのCO2削減と数億円規模のコスト削減を見込みます。

同じ地域の集荷・配達を1社にまとめる共同集配も過疎地を含む各地で進み、2026年3月には営業所の共有が始まりました。幹線を中心に外国人ドライバーを採用・育成する検討にも入っています。

T2は高速道路の出入りまで自動に

T2の自動運転トラックは2025年夏から関東と関西の間で商用運行を続けており、一般道から高速の本線に入るところまで自動で走れるようになりました。日本郵便とセイノーも同年7月から荷物を載せ、定期的に走らせています。

2026年3月関東と関西の間の高速道路の本線約500kmを、ハンドル操作なしで走り切る
2026年9月高速道路の近くに置いた切り替えの拠点から、一般道と料金所を通って本線に入る走行に成功
2027年1月から大手運送会社など約30社向けの商用運行に、新しい車両を順次入れる
2027年度以降レベル4(決まった区間で運転手が要らない)の幹線輸送をめざす
T2の発表(2026年10月21日)をもとに作成

中継輸送は認定で許可をまとめて取れる

11月1日に施行された改正物流効率化法で、2社以上の運送会社が中継拠点で運転手を交代したり荷物を受け渡したりする計画を、国土交通大臣が認定する制度が始まりました。中継輸送とは、1本の長距離輸送を途中で区切って複数の運転手で分担する運び方です。認定された計画は貨物自動車運送事業法や倉庫業法などの許可を受けたものとみなされ、鉄道建設・運輸施設整備支援機構から出資や貸付も受けられます。

荷主と倉庫会社にも、支障のない範囲で中継輸送に協力する努力義務がかかります。

幹線は便を組み立てる人が主役になる

荷台を他社と分け、運転を機械に任せ、距離を拠点で区切るほど、どの荷物をどの便に載せ、どこで誰に引き継ぐかを決める仕事が増えます。担い手は、運行管理や配車で幹線のダイヤを組んできた人と、切り替えや中継の拠点で発着を時間どおりに回せるターミナルの現場管理者です。共同運行を広げるなら、他社と運賃や責任の分け方を詰めてきた営業の経験も生きます。

あわせて読む

新しい記事

三菱倉庫、阪急阪神エクスプレスを1,201億円で取得 航空を加えて国内4番手のフォワーダーに物流・調達物流効率化法のCLO、選任済みは67.3% 成果を数字で確かめた荷主は11.9%物流・調達公取委、値上げ要請に協議せず据え置いた発注者59名に注意 物流は地方で合同監視物流・調達SSBJハンドブックに2本追加 財務影響の金額は簡単な試算からでよい国の制度